グリーフケアを知ってますか?
大切な方を亡くすと、喪失感と悲しみと現実の間で、心が不安定な状態に陥りやすくなります。大切な方を亡くした喪失と立ち直らなくてはいけない現実との間で揺れる不安定な状態をグリーフと言います。今回は、グリーフケアについてお伝えします。大切な方を亡くすのは、誰にでも起こりうる状況です。もしもの場合に備えて、自分の心のあり方について考えてみましょう。
グリーフケアとは
グリーフ(grief)とは、深い悲しみの意味です。グリーフケアとは、配偶者や子供、親などの家族、親しい友人などと死別した人が陥る、複雑な情緒的状態を分かち合い、深い悲しみから精神的に立ち直り、その悲しみからうまく立ち直れるようそばにいて支援することをさします。一方的に励ますのではなく、さりげなく寄り添い、ケアすることが大切と言われています。
グリーフでどういう反応が出るのか?
大きく分けると、身体的な反応、精神的な反応、行動への反応がみられます。
身体的な反応
睡眠障害、疲労感、食欲減退、頭痛、めまい、免疫機能低下、胃腸の不調、自律神経失調症などの不調が起こります。
精神的な反応
深い悲しみ、やるせない気持ち、孤独感、罪悪感、無力感などの気持ちがわいてきます。
行動的な反応
涙が突然出る、何をしたらいいのかわからない、ぼんやりしてしまう、等々突然そのような状態になります。
グリーフ(深い悲しみ)のプロセス
深い悲しみの時期には、下記の4段階があり、それを経て回復へと向かいます。
- ショック期
- 喪失期
- 閉じこもり期
- 再生期
これらのプロセスは、正常な心理反応で個人差はあるものの時間をかけて回復することがほとんどです。これが抑圧されるなど何かその過程にアクシデントがあった場合、精神や身体的な症状が出て長期化することがあります。
グリーフがある場合
自分の悲しみを隠さず、自身でも受け入れ、それを表現し、また信頼できる人にその悲しみを表現して、外に出して気持ちや悲しみを客観的に整理していく作業が必要です。悲しみや身体的な反応は大切な人を亡くした時の自然な反応です。病気ではないので、ゆっくり時間をかけて、周りの方とその悲しみを分かち合うことが大切です。また周りの方は、無理に忘れさせようとするなどせず、悲しみに寄り添うような形でケアして行くことが重要です。
ハワイで散骨を行なったお客様の中にも、亡くなってから2年程経過してから、やっと気持ちの整理がついて散骨することにしたという方もいらっしゃいます。分骨しておけば、故人との時間を長く持つことができます。ハワイの散骨には「また会おうね」という意味合いがあります。お葬式で全てを終わらせてしまうのではなく、家族で悲しみと向き合い、それが回復した頃に、本当のお見送りをする形があってもよいのではないでしょうか。